弘法大師空海様の高弟に真済(しんぜい)という方がおられます。
真済様は、
弘法大師様は初めて訪ねてこられた方にも親友のように応対され
浅薄な言動をされたのを聞いたことも見たこともない、
とおっしゃっています。
お大師様は、他人に対して「親しみ」やすく、
かつ「礼儀」をもって接しておられました。
私たちにとって、この「親しみ」と「礼儀」の二つの面は相容れないものです。
「親しみ」のある人は、あまり行儀が良くなく
また「礼儀」を重んじる人は、ともすれば他人を寄せ付けません。
この真済様の言葉から、「親しみ」と「礼儀」をもってお大師様は同時にお持ちであり、
故に多くの方々から仰がれ親しまれたことがうかがえます。合掌