この身脆(もろ)きこと(2)

私たちはいつかはあの世に行くのだとわかっていても、それを認めたくない、できれば避けたいと思っている存在です。

以前、高野山に参拝された禅宗の僧正が、高齢の師僧様が病気の際、「わたしはまだ死にたくない」とぽつりおっしゃったことをお話し下さいました。

老僧様も我々と同じなんだと親しみを感じ、また人間は生きることに執着する存在であることをあらためて教えていただいた思いでした。

私たちは、「死」に向かい合ったときに、本来の「生」、つまり「いのち」を実感するのかも知れません。合掌

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