お釈迦様にはチューラパンタカという弟子がおられました。
この方は記憶力が乏しく、3年経ってもお釈迦様のお言葉を、一つも暗記することができませんでした。
見るに見かねて、兄のマハーパンタカが
「修行ができないのならこの祇園精舎(ぎおんしょうじゃ)に居ても仕方が無い。家に帰りなさい」
と叱りました。チューラパンタカが精舎の門の外で泣いていると、お釈迦様が門の外に出てこられ、チューラパンタカに
「自分の愚(おろ)かさを恐れ悲しむことなかれ」
と頭をなで、手にとって座らせ、ほうきを持たせて
「このほうきもて塵を払わん。垢を除かん」
と唱え、掃除をしなさいと教えられました。続く