禿(かむろ)なる樹 定(さだ)んで 禿なるに非(あら)ず。(1)

お大師様は

「いつまでも枯れ木は枯れ木のままではない。時が来ればきっと花が咲く」

とおっしゃっています。秋から冬にかけて葉が落ち、寒風にさらされている梅、桜、桃の木々はもう二度と緑の葉を出さない枯れ木かと思えます。

しかし二月になれば梅、三月は桜、四月は桃の季節となります。それは木の根が生きていているからです。

同じように人間にも「いのち」の根が生きています。

お大師様はこれらの木々と同じように、人間にも心の花、仏性を咲かせることができると説かれています。

この御教えが「即身成仏(そくしんじょうぶつ)」であります。続く

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