犬に かいげんされたまう 石じぞう
と昔の川柳にあります。道ばたのお地蔵様はよく犬に小便をかけられてしまいます。かいげん(開眼)とはお清めの水によって、仏様にその御魂(たましい)を迎え入れる作法です。犬の「小便」が、その「お清めの水」だというわけです。無礼なことをされても、お地蔵様のおだやかなお姿が目に浮かびます。
しかし、この光景は、決して良いことではありません。
以前、篤信者の方が苦々しくお話しくださいました。ご自身の万体地蔵尊様のお参りをされた時、偶然そのお地蔵様にペットの犬が小便をかけているのを目撃し、連れてきた参詣者に注意したところ、「あっ、すいません」とだけ言い、その場を立ち去ったとのことでした。
その後、その方は小便をかけられたお地蔵様を拭きながら、怒りと悔しさで涙が出てきた、とおっしゃいました。
以前から申し上げてきましたが、弘正寺はこの方のお気持ちに寄り添い、万体地蔵尊、さいの河原霊場の護持のために
「一切のペットの立ち入り禁止」
とします。何とぞご理解ください。次回に続きます。合掌