剛柔気聚(あつま)れば浮生出ず。
地水縁窮(きわま)れば死して
休するがごとし。
先に挙げた「生者必滅」の理を越
えて、今を生きるお大師様のお姿
を「入定留身」(にゅうじょうる
しん)と言います。
「入定」とは瞑想に入ること、
「留身」とはこの世に身を留める
ことを意味します。
いわば奥の院は、あえて冒頭の
「剛柔気聚れば」の視座に立てば
「相反」する生者必滅の無常の理
と、入定留身のお大師様の「常住」
のお姿が揺るぎなく「相応」され
ている聖地なのです。続く 合掌
追伸 この文章は『空海散歩~世
の流れ~』第二巻(筑摩書房より
平成30年7月15日発刊予定)
に掲載されます。
アイキャッチの画像は愛宕山弘正
寺の千体不動尊です。