禿(かむろ)なる樹 定(さだ)んで 禿なるに非(あら)ず。(2)

お釈迦様にはチューラパンタカという弟子がおられました。

この方は記憶力が乏しく、3年経ってもお釈迦様のお言葉を、一つも暗記することができませんでした。

見るに見かねて、兄のマハーパンタカが

「修行ができないのならこの祇園精舎(ぎおんしょうじゃ)に居ても仕方が無い。家に帰りなさい」

と叱りました。チューラパンタカが精舎の門の外で泣いていると、お釈迦様が門の外に出てこられ、チューラパンタカに

 

「自分の愚(おろ)かさを恐れ悲しむことなかれ」

 

と頭をなで、手にとって座らせ、ほうきを持たせて

 

「このほうきもて塵を払わん。垢を除かん」

 

と唱え、掃除をしなさいと教えられました。続く

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