お大師様の『般若心経秘鍵(はんにゃしんぎょうひけん)』には
「蓮を観じて自浄を知る」というお言葉があります。
泥の中にあっても、泥から生まれたとは思えぬほどの美しい花、蓮。
「泥」のような苦しみの人生から生まれる、「蓮」のような私たちの美しい心。
私たちが人生を振り返ったとき、涙し悩んだ日々があればこそ
己の成長があったことにきっと気づくのでしょう。
またその辛い経験が、他人の苦労を理解し、豊かで静かな心を私たちに持たせるのです。
江戸時代の俳人、与謝蕪村(よさ ぶそん)の句に
この泥が
あればこそ咲け
蓮の花
この句のように、泥(苦しみ)があるから、蓮の花(美しい心)が咲くのです。至心合掌