「がたぴし」

昨今の新型コロナウィルス感染症の拡大によって、世の中は様変わりし、私たちは不安な日々を過ごしています。当然のことながら、私たちは同じ空間で同じ空気を吸って生きている、大きな共同体の一員です。国境も人種も関係ありません。その中に私たちは無数につながっている「人間」です。「人と人との間」のつながりがあってこそ、私たちは「人間」たりうるのです。

その「人間」としての在り方を、今問われているような気がします。仏教では、ものごとをふたつに分けて考えることを「妄分別(もうふんべつ)」と言い、誤りとします。

例えば、「我」と「他」人、「彼」岸と「此」岸、つまり自分と他人、あの世(彼岸)とこの世(此岸)は別であると考えると「我他彼此(がたぴし)」と音を立て、すべてがうまくいかなくなります。

最近では自分勝手な騒動が目立ちますが、ここは「人間」としての行いを勤めたいものです。至心合掌

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