「平成」から「令和」の時代となりました。「令」という字が使われるのは初めてで「和」は20回目となります。
お大師様のお生まれのときの元号は「宝亀(ほうき)」、永久の禅定(瞑想)修行、入定留身されたときは「承和(じょうわ)」です。
「宝亀」の由来は肥後国(今の熊本県)より、二匹の白い亀が献上され、これにより吉祥として「宝亀」としたことによります。
因みに高野山には宝亀院というお寺があります。今も奥の院で御修行されているお大師様のお衣をお染めし、お作りし、献上するお役目を担っておられる、お大師様と関係の近いお寺と言えます。
「承和(じょうわ)」の年には、その元号に「和」という字が含まれているのですが、「承和の変」という事件が起こります。お大師様の旧知であり、お大師様、嵯峨天皇に並び、「三筆」と称される橘逸勢(たちばなのはやなり)が命を落とすこととなります。実は「和」が含まれる元号の時には、「昭和」のように戦争、また自然災害などが少なくないことを胸の内に留めておくべきです。「令和」の時代を言祝ぎながら、過去の「和」の時代を戒め、歩んで参りましょう。合掌